パワースポット観光禁止!?ハワイオアフ島「Heiau(ヘイアウ)」の歴史とマナー

ハワイのパワースポット、オアフ島のHeiau(ヘイアウ)観光のマナーをご紹介。ハワイのパワースポットには、日本人が知らない歴史があるんです!ハワイ旅行前にチェックして、パワースポットの正しい知識とともにオアフ島観光を楽しんでくださいね!

執筆者: じゅにーK
はじめに

ハワイヘイアウ、という言葉を耳にしたことはありますか?

ヘイアウ(Heiau)とは、古代のハワイ人が建設した聖域の事を言います。

 

近頃日本では「パワースポット」として紹介され、ツアーを行っている会社もありますが、実は全く違うのです。

ヘイアウ(Heiau)とは

1000~200年前のハワイが統一される以前、古代ポリネシア社会には多神教の世界がありました。


そうした神々を信仰する為に用いられたのがヘイアウで、通常は石材を敷き詰めた物の上に木造の神殿を建て、そこで様々な行事が執り行われていました。

 

 

カメハメハ大王がハワイを統一した後、カメハメハ2世の時代になった1819年にカプ(タブー)が廃止され、ヘイアウは使用されなくなりましたが、1970年代以降の「ハワイアン・ルネッサンス」時期に、再び尊重される様になっていきました。

ヘイアウは本当にパワースポット?

子宝に恵まれる、癒されると言う話は全て作り話だそうです。
実際に王族が子供を生む場所として使ったヘイアウに、日本の芸能人が行って石に登った所赤ちゃんが出来た、と言う話からそれを真似する人が出てきました。

 

パワースポットだと言って、観光客を連れて行ったりパワーを授かろうとする人もいます。

 

ヘイアウは自分の先祖と結ばれる場所

しかし、ここは何かを貰う場所では無いのです。

与えたり、授かったりする事には利害関係が発生しますが、基本的にここは「愛と光の場所」で自分の祖先と結ばれる場所なのだそうです。

 

 

その昔は学校でもあった

出産の無い時には学校として、航海術などを学ぶ場所だったそうです。

 

基本的には外から見る行為のみ

ヘイアウの中には、ハワイ州の史跡に指定され、カメハメハ大王のサインが掲げられている場所もあります。

しかし、外から見る以外の行為は基本的にはしない方が良いそうです。

 

KAPUと(カプ)いう場所には気を付ける

場所によっては「KAPU(カプ)」と言うサインが掲げられている場所があります。

ここはハワイアンか、ハワイアンの神官以外は入れない場所ですので、近付かない様にして下さい。

何しろアクセスが悪かったり、赤土が剥き出しで少しでも雨が降ろうものなら歩く事さえ大変な場所もあり、確かによそ者を歓迎している雰囲気はありません。

ヘイアウ・ツアーは辞めた方がいい?

ヘイアウが日本の雑誌やテレビで取り上げられる様になってすぐの10年程前に、「パワースポット」と言う言葉に反応して「ヘイアウ・ツアー」を作ろうと企画した事がありました。

 

実は日本語以外のガイドブックにも、「パワースポット」として紹介されている事があります。

 

 

オアフ島にも何カ所もあるヘイアウですが、場所によって色々と意味が違います。
現地のハワイアンからは「その様なツアーは辞めた方が良い」と言う意見も多いようです。

 

現地人が勧めない理由
  • ヘイアウによって意味が異なり、管理をしている団体も違う
  • 個人的に意味を知って行くのは良いが、中には観光に反対のグループもあるし、規則がとても厳しい場所もある
  • 商売として、ヘイアウに人を連れていくのは良くない
  • 同じヘイアウでも時代によって意味が異なってくる場所が多く、特にハワイ統一前の戦乱の時代には、生贄をささげる場所として使われた物もあって、残された霊などを怒らせたり、中には憑りつかれる危険性がある

 

子孫達が大切に守っている場所

今では基礎の石材部分しか残っていないヘイアウがほとんどですが、ほんの200年前までは実際に使用され、その子孫たちが大切に守っている場所も多いのです。

 

 

そして、その子孫たちの団体の中にはかなり過激なグループもあり、観光客がやってくるのには反対して時々デモをしたり、やってくるバスを追い帰したりする事もあるのです。

 



昔は女人禁制だった

また、医者の学校として使われたヘイアウは本来女人禁制で、中に入るどころか近づく事さえ許されなかったそうです。

 

王族以外は石の影さえ踏事を許されなかった

石に登った日本の芸能人がいましたが、実際には王族以外は石の影を踏む事さえ許されなかったと言う場所もあり、石に登るなんてとんでもない事だったのです。お墓とは違いますが、日本で言う「恐山」の様な場所もあります。

 

利害関係を必要としない

史跡として指定されている場所もありますが、入場料を取ったり、グッズを販売したりすればヘイアウの維持管理に役に立つのではないかと思いましたが、ヘイアウを管理しているグループは、語り部的な役割こそすれ利害は必要としないそうです。

 

 

今でもヘイアウのツアーをやっている会社、ヘイアウをコースに入れたツアーを催行している会社もありますが、実は過去に「ヘイアウツアー:パワースポットツアー」を始めて、2年以内に潰れてしまった会社が幾つもあるのです。

ヘイアウでのマナー
ヘイアウに持ち込んで良いのは水だけ

そう言った細かいルールや心構えを理解した上で、訪れるのは構わないと思いますが、お供え物は一切禁止です。

 

レイを供える日本人がいるそうですが、ゴミになったり病原体を持ったネズミが増える原因にもなるので、ヘイアウに持ち込んで良いのは水だけだそうです。

 

 

水は回りにある木や、植えられた植物に与えて欲しいとの事でした。
勿論石などに触る事は禁止、外から離れて見るのがマナーです。

おわりに

メディアの情報だけで、うっかり神聖な場所に行ってしまうと、とんでもない間違いを起こしてしまう事があります。

 

どうしても行きたい場合は、歴史や意味を勉強し、マナーを守ってハワイの遺跡を楽しんでみて下さいね。

 
 コラムニスト情報
じゅにーK
性別:男性  |   現在地:ハワイ、オアフ島  |  

ハワイ、オアフ島のツアーガイドです。
1993年来ハ以来、在住20年を越えて、狭い島ですが、島中を回って色々な物を見て経験してきました。
日本でのハワイブームは大変嬉しいですが、一般に出回っている情報が、実態とはかけ離れている事が多く、ディープな真実をお話できればと思っています。

ダイアモンドヘッドクラブと言う会社でディープなハワイをご案内しています。
http://diamondheadclub.com/

よろしくお願いいたします。ALOHA!