ウィーン旅行の食事なら、ワイン酒場「ホイリゲ」で!観光客にもおすすめの店3選 (1/2)
オーストリアの街ウィーンは、都市としては珍しくワインの産地でもあります。
街全体を一望できるカーレンベルグの丘には葡萄畑が広がり、その麓には葡萄栽培農家が経営するワイン居酒屋「ホイリゲ」が集中しています。
観光客だけではなく、地元客にも愛されている憩いの場である「ホイリゲ」。
もともと「ホイリゲ」には "今年の” という意味があり、「ホイリゲ」と注文すると、その年に出来た自家製ワインを出してくれます。
子供から大人まで満足できる、ホイリゲの楽しみ方とお勧めのお店をご紹介します。
ウィーンの中心部から北へ向かった郊外に「ハイリゲンシュタッド/Heiligenstadt」というベートーヴェンゆかりの町があります。
生涯で70~80回も引っ越しを繰り返したといわれるベートーヴェン。
ハイリゲンシュタッドには、遺書の家やベートーヴェンの小路など、彼の存在を感じさせる場所が何ヵ所もあります。
ここマイヤーも、現在は有名なホイリゲですが、元はベートーヴェンが住んでいた家で、「ベートーヴェンハウス」として名所にもなっています。
多くのホイリゲには、室内のほかに中庭があり、敷地の広さにまず驚きます。
彩どりの花や緑に囲まれながら食事をしていると、観光とはいえ、外国にいる緊張感がほぐれていくのを感じられるでしょう。
マイヤーのように、観光バスが来るほど有名なホイリゲでも、17時半~18時までに入るとこの通り。
早めに入って、ゆっくり時間を過ごすのが正解です。
混み始めると、店員さんもこちらの目くばせに気づいておきながらスルー、なんてことも無きにしもあらず。
席に着いたら、すかさず飲み物を注文しましょう。
飲み物でまず試して頂きたいのは「ホイリゲ」。
11月11日を皮切りに、その年にできた自家製のワインを出してくれます。
オーストリアワインは、あまり国外に出回ることがなく、飲む機会が少ないかと思いますが、悠久の彼方昔から、ワインの産地が変わることなく同じ場所で造り続けられた伝統があります。
特に「グリューナー・ヴェルトリーナー/Grüner Veltliner」は、オーストリア固有の品種でフルーティで飲みやすく、国際的にも高く評価されています。
お酒が苦手な方やお子さんには、ブドウジュース(Traubensaft)がお勧めです。
このブドウジュースが飲みたくて再訪する方もいるとか。
特に、9月後半ブドウ収穫の時期だけにお目見えするのがモスト(Most)とシュトルム(Strum)。
モストは絞りたてで、未発酵のもの。
まさに濃厚なブドウジュースですが、一か月も経つと発酵が盛んになり、シュトルムになります。
この時期にウィーンに訪れるなら、是非お試しください。
さて、飲み物の注文が済んだら食べ物を注文しましょう。
メニュー表から頼むことももちろん出来ますが、お店が混みだすとなかなか注文を取りに来てくれません。
頼んでも出てくるのが遅く、ひたすら飲みながら、全員で店員さんを目で追いかけるグループもちらほら。
ぜひ、サラダや温かい食べ物が陳列されているカウンターで、直接注文してみましょう。
実際見ながら食べたいものを指さして注文でき、量の調節も可能です。
そして、実はとてもリーズナブルなのが嬉しいところ。
カウンターで注文した場合は、その場で支払い、注文したものを受け取ります。
左上から、ザワークラウト、グリル野菜、ジャガイモとベーコンの炒め物です。
このボリュームで、6~7ユーロ。
つまみとしては充分な量で、これにお肉料理があれば完璧ですね。
さて、このような場所に子連れで来る場合、ゆっくりとワインを楽しむには子供達次第なところがありますよね。
その点マイヤーには、中庭の奥に子供達用の遊び場があります。
子供達は、お腹が一杯になると遊び場へ行くので、大人はゆっくりと食事とワインを楽しめます。
大人の時間を大事にする、ヨーロッパならではのおもてなしと言えるでしょう。
夕方から、もしくは週末のみ営業というホイリゲも多く、観光のスケジュールによっては、それでは都合が合わない場合もあるでしょう。
そんな時にお勧めなのが、グリンツィングにある「Zum Martin Sepp(マルティン・ゼップ)」です。
11:30の開店に合わせて向かうと、中庭にはすでに地元客の団体さんがお祝いパーティをしているのか既に賑やかな様子。
人が集まる場所、それがホイリゲ。
誕生日や披露宴など、お祝いで使うことも多いようです。
そもそもの始まりは、1784年、ヨーゼフ2世による「年間300日以内に限り自家製ワインを小売し、簡単な食事を供してもよい」との発令によるもの。
年間300日以内という決まりは今も顕在で、冬は営業しないホイリゲもあります。
200年以上前の発令を、そのままの形で受け継いでいるところも、堅実なオーストリア人らしいところです。
マルティン・ゼップは、旬の食べ物が美味しく、ジビエにも定評があります。
上の写真は、ブレッテル(板)に黒パン、ハム、チーズなどが乗せられた、典型的なオーストリア料理のアンティパストです。
中央のペーストはカラシで、左上に見えるのは「豚の血入りソーセージ」です。
これが食べられたら、オーストリアを受け入れたと言ってもいいかもしれません。
国民性を知るには、まずはその国の食文化を知るところからではないでしょうか。
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2014年より家族でオーストリア/ウィーン在住。ウィーン街をひたすら歩き回って日々素敵なカフェやお店を開拓しています。
10代の頃から旅が好きでパリ、スペイン、沖縄へ一人旅、アジアはバックパッカーとして各国旅してきました。
屋久島生まれの父と韓国で生まれ育った母を持ち、20代は自分の居場所探しをしていましたが今は【今いる場所が私の場所】なのだと確信。毎日がハッピーです。
ウィーンで知り合ったアーティスト達との出会いから高級レストラン【ユリウスマンイル】で日本、韓国料理のイベントをプロデュース。
世界で一番読まれている経済誌【Forbesオーストリア創刊号】に掲載されました。
ウィーンでもアロマテラピー講習会の依頼があり沢山のご縁に感謝する毎日です。
コラムでは、おしゃれで美味しいカフェや芸術の都ウィーンならではのアーティスティックな場所をご紹介。食材にこだわるオーストリア人のオーガニック事情、ヨーロッパ女性の美しさの秘訣などもお伝えしていきたいです。
◇ブログ:http://ameblo.jp/aromasky/
◇インスタグラム:aromacoaroma
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