オリーブオイルは熱してOK?オリーブ油を加熱調理する時のポイント
こんにちは、オリーブオイルソムリエの工藤亜由美です。
皆さんは、オリーブオイルを加熱調理用に使っていますか?
使っていないという方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
「折角いいオイルを買ったんだから、火にかけるともったいない」とか「美味しくなくなってしまう」といったご意見をよく聞きます。
ですが、このオリーブオイルは、加熱調理に使った場合も、他の油を使うより身体に良いことが分かっています。
その3つの理由と、ちょっとしたクッキングアドバイスをご紹介します。
オリーブオイルは、揚げ物の表面にとどまり、中までしみ込みにくいという特徴を持っています。
また、素材にすばやく熱を通すので、油っぽくならずに素材の持ち味も活かすことができます。
これは、余分な油質の摂取を防ぐことにも繋がります。
なお、油を火にかけてから煙が出始める温度を発煙点といいます。
実は、大抵の植物油の発煙点が220~230℃以上なのに対して、エキストラバージンオリーブオイルは、177℃から208℃です。
これは、オリーブオイルに限らないことですが、発煙点を超えることによって煙、焦げが発生し、料理を不味くさせますので、発煙点を越えて加熱しないようにご注意ください。
他の植物油は、一度加熱すると2回目から発煙点が上昇しますが、エキストラバージンオリーブオイルに限り、何度使っても発煙点は変わりません。
加熱した油が劣化すると発生する「アクロレイン」という物質があります。
ある実験で、同じ油を何回使い回したら、このアクロレインが発生するかを様々な油で試したところ、コーン油、サフラワー油、グレープシードオイル、大豆油などは、1回の使用で発生しました。
それにに対して、エキストラバージンオリーブオイルは、6回目でやっと発生したそうです。
さらに、酸化油特有のにおいの発生も、他の植物油では3回目~7回目で発生したのに対し、エキストラバージンオリーブオイルは、15回の使い回しに堪えたそうです。
オリーブオイルには、沢山のオレイン酸と抗酸化成分が含まれており、他の植物油と比べて、加熱した時にこそ、ずば抜けた安定性を発揮します。
酸化しやすい油で調理するのと、エキストラバージンオリーブオイルを使うのと、どちらが身体に良いかは、すぐにわかりますよね。
では、オリーブオイルを加熱に使う時の、ちょっとしたポイントもお伝えします。
「加熱用はピュアオリーブオイル」と使い分けている方もいらっしゃるかもしれませんが、ピュアオリーブオイルは、精製されたオリーブオイルがほとんどですので、いわゆる抗酸化成分はほとんど含まれていません。
良質なエキストラバージンオリーブオイルを使ってください。
熱したフライパンにオリーブオイルを注ぐと、すぐにオイルが熱くなってしまいます。
火をつける前にフライパンにオリーブオイルを注いで、それからじっくり熱していくのが、エキストラバージンオリーブオイルの風味を残しながら調理するコツです。
身体により良いものを求める人々から、ずっと支持されている「オリーブオイル」。
今回、加熱調理にもオリーブオイルがお勧めであることが、お分かりいただけたことと思います。
もっと、オリーブオイルを健康的に使いこなしてみてくださいね。
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