ヨガの中でもさらにゆっくりとホールドするのが「陰ヨガ」の特徴。初心者や運動が苦手な方にも始めやすく、深くリラックスしたい人におすすめ!ポーズをキープする時間が長いことで得られるメリットを紹介。
こんにちは。美姿勢&アウトドアヨガ・ピラティスインストラクターの美宅玲子です。
皆さんは、「陰ヨガ」という言葉を聞いたことがありますか?
運動量が多く、動いて引き締め効果を高めている「陽ヨガ」に対比して、じっくりとポーズを長くキープして行う静かなヨガを「陰ヨガ」と言います。
流派としても確立されていて、方法論もはっきりしている「陰ヨガ」。
今回は、その特徴とメリットをご紹介します。
通常のヨガでは、ポーズのキープ時間は20秒程度。
少し長めのキープをするアイアンガ―ヨガでも、1分程度です。
ところが、陰ヨガでは、一つのポーズのキープ時間を3~5分ほど取ります。
ですから、椅子のポーズや英雄のポーズといった筋力を使うポーズや、片足立ちで行うバランスポーズなどは含まれません。
重力を利用して筋肉を伸ばし、硬くなった関節周りの組織をゆるめるストレッチを伴うポーズがメインとなります。
陰ヨガでゆっくりとポーズをキープして伸ばしていくことで、筋肉や結合組織(鶏肉の皮をはがした時に、白い繊維のようなものが見えますが、そういった筋膜などの組織)が変化します。
筋肉や結合組織は、通常のヨガポーズの20秒程度のホールド時間では、実質あまり変化しないと言われています。
筋肉や結合組織がリラックスした状態に変化し、伸びた状態が定着すまでには、一説には90秒程度かかるとか。
たいていの人は、ポーズを取った瞬間は体が緊張します。
ですが、キープをしているうちに、ポーズの状態になじんでリラックスしてきます。
呼吸も落ち着いて深くゆっくりしてきます。
それから心も落ち着いてゆるんできます。
ポーズを取ってから本当に心身がほぐれ、ゆるむまでには、ある程度の時間が必要なのです。
陰ヨガでは1ポーズ3~5分という長い時間キープをすることによって、普段の生活で緊張し硬くなっていた結合組織がゆるみ、関節の可動域が広がります。
ポーズも重力に身体を委ねるようになり、余分な筋肉の緊張がほどけて呼吸とともに心も深くリラックスし、ストレスが流れていきます。
「ポーズを3~5分もキープするのは、体の硬い人には難しいのでは?」と思われるかもしれませんが、大丈夫です。体が硬い人は、ポーズの関節の広げ方を小さくして加減します。
また、必要に応じて肘かけや背もたれなどを用意して、余分な緊張がたまらないように工夫してポーズを行います。
体が硬い人は、筋肉を緊張させてポーズをホールドしようとする傾向があり、呼吸も止まりがちです。
ですが、3~5分もその状態でキープすることはできませんから、誰でもふっと力が抜けて、緊張が解けて、あきらめる瞬間がやってきます。
そうして体の重みを下に委ねることで、ようやく呼吸も深まり、心身の内面を観察するヨガ本来の瞑想効果が生まれます。
難しいポーズはせず、シンプルで余分な緊張をほどいて行うヨガは、初心者や運動が苦手な方にも始めやすいでしょう。
ストレスが強く、頑張らなければならないと心身に力が入っている人ほど、陰ヨガによる変化や効果を味わっていただきたいです。
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