減塩食が続かない人へ!高血圧専門医が教える減塩食のポイントとは
日本人の1日の塩分摂取量は約10gほど。塩分取りすぎと分かっていても減塩食が続かない…。専門医おすすめ「朝食のグラノーラ置き換え」で"塩分取りすぎ"を予防しよう。
日本人の塩分摂取量が多いという話は、一度は耳にしたことがあるかと思います。
WHO(世界保健機関)の塩分摂取目標値は、5.0g未満であるのに対し、日本人男性は11.1g、女性は9.4g※1。
大幅にオーバーしています。
※1 国民健康栄養調査の現状(平成25年度調査)より
塩分を取り過ぎることで、こんな悪影響が。
ラーメンの後に喉が渇いた経験はありませんか?
ナトリウム量が多いと、カリウム不足になり、外へ排出する働きも低下します。
代わりに水分で塩分濃度を薄めようとします。
このため、濃い味や塩分の多い食べ物を食べた後は、喉が渇いてしまうのです。
喉が渇いてゴクゴク水を飲むものの、水分排出がうまくできず、体はむくみがちに。
冷え性などで血流が悪い人などは、さらにむくみの原因にも繋がります。
塩分過多は、高血圧(一次性高血圧・本態性高血圧)の原因になります。
塩分の取り過ぎは、大量の水分を取り入れてしまうほか、体内の水分も血液に集まってきます。
それにより血管への負担が増え、血圧が上昇してしまうのです。
濃い味のものは美味しいですが、塩分過多は美容と健康に大ダメージを与えかねません。
薄味にしたり塩分カットの調味料を使うなど、気を付けている人も多いかと思いますが、たまにリバウンドで「濃い味のものが食べたーい!」と爆発してしまうことも。
そんな人は、効率よく塩分を排出するという視点からもアプローチしてみましょう。
東北女子大学健康栄養学科教授の加藤秀夫先生によると、塩分排出量は「朝が最も少ない」とコメントしています。
塩分は汗や尿で排出されますが、特に尿の排出量は「アルドステロン」というホルモンが影響しています。
アルドステロンは腎臓でのナトリウム再吸収を促し、間接的に血圧を上げる働きを持っており、このホルモンの分泌量と逆相関で、尿は夕方18:00以降から増えていきます。
つまり、朝昼より夜の方が、塩分を多めに摂っても尿で排出されやすいということなのです。※2
※2日本体質学雑誌 63号より
1日目は朝、2日目は昼、3日目は夜に1食10gの食塩換算となる高食塩食を摂った後の数値
夜は塩分を多めに摂っても尿で体の外へ出ていきますが、朝昼は排出量が少ないので体の中に残ってしまう。
このことから、減塩するのは朝食や昼食にし、夕食は少しゆるめるのが効率的と言えます。
朝食によくある食パン・バター(マーガリン)・ハム・チーズなども塩分が多めで、例えばトースト1枚でさえ0.8g※3の塩分が隠れています。
先に述べた加藤秀夫先生や、高血圧の専門医である渡辺尚彦先生もおすすめするのは、例えばグラノーラなど。
グラノーラ50gとヨーグルト200gの塩分は、約0.4g※3と、非常に塩分摂取量が低く、それでいて栄養素も摂れるということでおすすめされています。
※3 日本食品標準成分表2010より
ホットケーキなんかに混ぜると、朝ご飯にぴったりです。
よし、減塩だ!と、無理に薄味の料理にしても、長くは続きません。
特に高血圧の人は3食減塩にする必要がありますが、これは言葉で語るよりずっと難しいこと。
ですから、塩分排出時間を考えて朝食を減塩のものへ置き換えたり、無理のない範囲で減塩食を続けることが大切です。
渡辺尚彦先生によると、「1週間減塩をしたら、翌週は今までの食事に戻す」を繰り返して、徐々に減塩食に慣れるように指導しているとのこと。
そしてまずは、自分の1日の塩分摂取量を知ることが、減塩の第一歩であると語っています。
塩鮭、梅干し、ラーメン、煮物…日本には美味しい食事が溢れていますから、ついつい塩分過多になりがちですよね。
健康と美容のためにも、上手に無理なく減塩生活を取り入れてみてくださいね。
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