立ち入り危険な秘境探検!北海道の秘湯「丸山噴泉塔」探索レポート
数々の名湯、秘湯の宝庫として知られるのが北海道。
登別温泉、湯の川温泉、洞爺湖温泉などが全国区ですが、人も近付けない山中奥深くには、施設も何もない野湯や源泉が数多く湧いています。
今回は一味違う秘湯と題し、全国的にも珍しく、町の天然記念物にもなっている「丸山噴泉塔」を紹介します。
噴泉塔(ふんせんとう)は、石灰華の一種。噴泉石炭華塔(略して石炭華塔)とも呼ばれる。温泉に含まれる成分が空気に触れ、沈殿物(主要成分として炭酸カルシウム・水酸化マグネシウム)となり、それが固まって長い年月の間に塔のような形状になったものを指す。
向かったのは大雪山国立公園の山懐にある上士幌町。
カーナビにも載っていない林道を地形図頼りに5k程進み、通行止地点からは登山装備で徒歩約3時間(個人差あり)の道のり。
地形図(2万5千分の1)には♨マークが記され、調べると10年程前には登山道があったものの、探険者が減り、今は荒れ放題で自然の要塞と化しているそうです。
倒木群をくぐり、崖を突破し、ブッシュ地帯を抜け、スタート地点に渡った五の沢は、はるか下になりました。
滑落は下が見えない奈落の底へ真っ逆さま、慎重にクリアしたときはロープが切れそうでした。
やはり10年も経つと劣化が進むようです。
目の前に白い丘が見えてきました。
一見残雪かとも思われましたが、近づくと硫黄臭が漂う、紛れもない噴泉塔の一部でした。
温泉成分の石灰華が固まり、長年かけて巨大な丘を形成、今でも源泉が湧き続け魚のウロコ状に発達成長している、幅約10m、高さ約3mの扇状地のようです。
これだけの大きさは全国でも稀だそうで、学術的にも貴重な存在らしく、触ると石灰石のように固まっています。
上士幌町作成の説明看板によると、昭和55年に偶然発見され、噴泉塔は今でも僅かながら成長しているそうです。
大沼は火口跡に温泉と雨水が溜まったもので、深さもあり周囲はぬかるみでした。
至る所から温泉が湧いて硫黄臭が漂っており、最奥は源泉が崖下へとオーバーフローしているという様子でした。
人知では計り知れない、大自然の不思議な世界が各地にはまだまだあるようです。
静寂に包まれた白いモンスター丸山噴泉塔は、大雪山系奥深くに人知れず眠っていました。
ちなみに、噴泉塔の横を流れるオレンジ色の五の沢を5分程辿ると、約10mの無名滝が現れますので、そちらもお勧めです。
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北海道を中心に、地底の鍾乳洞から山奥に眠る滝や秘湯、遺構(炭鉱、鉱山跡)など誰もが行けない秘境を探検する、あくなきチャレンジャー。
気力、体力、技術に大事なのは時の運、単独行は危険です決してマネはしないでください。
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