近距離から風景写真を撮ってみよう!マクロ撮影のコツとテクニック (1/2)

執筆者: クニ・ヒロ 職業:マクログラファー
はじめに

こんにちは、マクログラファーのクニ・ヒロです。

 

前回はマクロ撮影をするために必要なカメラやレンズについてのお話をしました。
いよいよ今回から、具体的な撮影の話に入っていきましょう。

寄って撮ろう

マクロ撮影は普通のレンズと比べ、被写体に寄って大きく写せることが一番の特徴です。

マクロレンズを使いこなす第一歩は、これ以上寄れないところ(これを最短撮影距離といいます)

まで寄って撮ることでしょう。

 

思い切り寄って撮ることによって、普通に撮っていたのでは見ることのできないマクロならではの世界を体験することができます。
何を隠そう、私がマクロレンズの世界に引き込まれたのも、初めて見るこの世界に衝撃を受けたからでした。

例えば、植物園などに咲く花を撮るとき。
普通に撮ると、こんな感じになるのではないでしょうか。

 


これでもじゅうぶん綺麗なのですが、せっかくですからさらに寄りたいですよね。
そこで、マクロレンズの出番です。
マクロレンズを使用してぐぐっと寄ったのがこの写真。

 


周囲のいろいろな情報がカットされて、自分が何を写したいと思ったのかが明確に主張されています。


他にもいくつか例を挙げてみます。
こちらは何だと思いますか?

 


正解はヒマワリ。
雨上がりに水滴がぶら下がっていたのが可愛いと思って撮影しました。

そしてこちら。

 


バラの艶やかな花びらに魅力を感じ、ぐっと寄ってみました。

最後は菊の花。

 


全体を撮るとぼてっと丸く、いまいち絵にならないので、花びらの部分だけを切り取ってみました。

いかがでしょう?

 

普段見ている花とはずいぶん印象が違うのではないでしょうか。
ただ漠然と寄るだけではなく、自分が心惹かれたところ、撮りたいと思ったところに思い切って寄ることが大事です。

寄ったら次はボカそう

次の2枚を見てください。

 

 

 


これはどちらも同じ花をほぼ最短撮影距離からマクロレンズで撮ったものです。
同じ花を撮ったとは思えないぐらい、まったく違ったイメージになっています。

 

この違いは何かというと、ピント位置なのです。
1枚目は花の花心(しべ)にピントを合わせています。
一方、2枚目は手前に伸びる花びらをピント位置としています。

マクロで最大まで寄ると、ピントの合う範囲がすごく狭くなります。
ピントを合わせた位置からほんの1mm、2mm離れただけでピンボケとなってしまうのです。
これを利用してごく一部分だけにピントを合わせ、他の場所をボカす。
このボケをコントロールして表現に活かすことも、またマクロの醍醐味のひとつです。

 
 コラムニスト情報
クニ・ヒロ
性別:男性  |   職業:マクログラファー

マクロレンズを自在に操り、
光とボケが織りなす幻想的で不思議な世界を描き出すマクログラファー。

刻々と変化していく花たちの表情や、虫たちのコミカルな姿に
心ときめかせ、癒されながらその一瞬の表情を切り取っている。

フォトコンテスト入賞多数、雑誌掲載多数、
2012年、2013年、個展開催。

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シンガーソングライター竹本孝之「August Rain」プロモーションビデオに写真提供。
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